ポータブル電源は何Whあれば足りる?必要な容量の計算方法と家電別の使用時間の目安
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ポータブル電源を選ぶとき、いちばん迷うのが「何Whあれば足りるのか」です。大きいほど安心ですが、そのぶん値段も重さも増えます。
実は、必要な容量は簡単な掛け算で見積もれます。この記事では、計算方法と、よく使う家電ごとの使用時間の目安を紹介します。
この記事の結論
- 必要な容量は「消費電力(W)× 使用時間(h)÷ 0.8」で計算できる
- 1,000Whクラスなら、実際に使えるのは約800Wh前後と考えておく
- 冷蔵庫を動かしたいなら、1,000Wh以上が目安
必要な容量の計算方法
基本の計算式
家電を使うと、「消費電力(W)× 使用時間(h)」の電気を使います。たとえば消費電力50Wの電気毛布を8時間使うと、50W × 8h = 400Whです。
ただし、ポータブル電源の容量をそのまま全部使えるわけではありません。バッテリーにためた電気を家庭用コンセントと同じ交流(AC)に変換するときに、一部が熱として失われるためです。
変換で失われる分を2割ほど見込み、実際に使えるのは容量の約8割と考えておくと、計算が実際と大きくずれにくくなります。
必要な容量(Wh)≒ 消費電力(W)× 使用時間(h)÷ 0.8
先ほどの電気毛布なら、400Wh ÷ 0.8 = 500Whです。つまり、電気毛布を一晩使うなら、500Wh以上のポータブル電源が必要になります。
メモ
変換の効率はメーカーや機種、使う家電によって変わります。0.8は余裕をもたせた目安です。USB端子からスマホを充電する場合などは、ACより損失が小さくなる傾向があります。
消費電力の調べ方
家電の消費電力は、本体の裏や底に貼られたラベル、または取扱説明書に「消費電力 ○○W」と書かれています。メーカーの公式サイトの仕様表でも確認できます。
使いたい家電が決まっているなら、購入前に一度、消費電力を書き出しておくのがおすすめです。
家電別:1,000Whで何時間使える?
1,000Whクラス(容量1,024Wh)のポータブル電源で、主な家電を使える時間の目安を計算しました。使える電力量は、1,024Wh × 0.8 ≒ 約820Whとして計算しています。
| 家電 | 消費電力の目安 | 使える時間・回数の目安 |
|---|---|---|
| スマホの充電 | 1回あたり約20Wh | 約40回 |
| LED電球 | 10W | 約82時間 |
| Wi-Fiルーター | 10W | 約82時間 |
| 扇風機 | 30W | 約27時間 |
| ノートパソコン | 50W | 約16時間 |
| 電気毛布(中) | 50W | 約16時間 |
| 液晶テレビ(32型前後) | 60W | 約13時間 |
| 電気ケトル(1回3分) | 1,250W | 約13回 |
※消費電力は一般的な目安です。実際の数値は製品によって大きく異なるので、お手持ちの家電のラベルで確認してください。
計算の例
- 扇風機:820Wh ÷ 30W ≒ 27時間
- 電気ケトル:1回あたり 1,250W × 0.05h(3分)≒ 63Wh → 820Wh ÷ 63Wh ≒ 13回
電気ケトルのように消費電力が大きい家電でも、使う時間が短ければ、使う電力量は意外と小さくなります。ただし、そもそも定格出力が家電の消費電力を下回っていると使えない点には注意してください。出力については、ポータブル電源の選び方で解説しています。
冷蔵庫は動かせる?
停電対策でよく気になるのが冷蔵庫です。冷蔵庫は一日中動いている一方で、電気を使ったり休んだりを繰り返しているので、「消費電力×24時間」では正しく計算できません。
冷蔵庫の場合は、カタログやラベルにある「年間消費電力量(kWh/年)」を使うと、1日あたりの電力量の目安がわかります。
1日あたりの電力量(Wh)≒ 年間消費電力量(kWh)× 1,000 ÷ 365
たとえば年間消費電力量が300kWhの冷蔵庫なら、300 × 1,000 ÷ 365 ≒ 約820Wh/日です。1,000Whクラスのポータブル電源で、ちょうど1日分くらいの目安になります。
注意
年間消費電力量は、決められた条件で測った値です。夏場やドアの開け閉めが多いときは、これより多くの電気を使います。また、冷蔵庫はモーターが動き出す瞬間に大きな電力が必要になるため、定格出力に余裕のあるモデルを選んでください。
用途別:必要な容量のシミュレーション
停電1日・家族4人の場合
最低限の生活を1日続ける想定で計算してみます。
| 使うもの | 計算 | 電力量 |
|---|---|---|
| スマホの充電(4台×1回) | 20Wh × 4 | 80Wh |
| LED照明(10W×6時間) | 10W × 6h | 60Wh |
| Wi-Fiルーター(10W×12時間) | 10W × 12h | 120Wh |
| 扇風機 または 電気毛布(30W×8時間) | 30W × 8h | 240Wh |
| 合計 | 500Wh |
変換ロスを含めると、500Wh ÷ 0.8 ≒ 約630Whが必要です。冷蔵庫も動かしたいなら、さらに800Wh前後が加わるので、合計1,500Wh以上が目安になります。
キャンプ1泊・冬の場合
| 使うもの | 計算 | 電力量 |
|---|---|---|
| 電気毛布(50W×8時間) | 50W × 8h | 400Wh |
| LEDランタン(10W×5時間) | 10W × 5h | 50Wh |
| スマホの充電(2台×1回) | 20Wh × 2 | 40Wh |
| 合計 | 490Wh |
変換ロスを含めると、490Wh ÷ 0.8 ≒ 約610Whです。500Whクラスでは少し足りないので、冬キャンプで電気毛布を一晩使うなら、700Wh〜1,000Whクラスを選ぶと安心です。
容量選びで失敗しないコツ
大きめを選ぶメリット
- 使える時間に余裕ができ、充電の回数も減る
- 使いたい家電が後から増えても対応しやすい
- 毎回使い切らないので、バッテリーへの負担が小さくなる
大きすぎる場合の注意点
- 価格が高くなる(容量が倍になると、価格も倍近くになることが多い)
- 重くなり、持ち運びが大変になる
計算で出した容量に、さらに2〜3割の余裕をもたせるのがおすすめです。計算した結果が600Wh前後なら、700〜800Whクラス、または1,000Whクラスが候補になります。
1,000Whクラスの具体的なモデルは、1,000Whクラスのポータブル電源4機種を比較で紹介しています。
計算した容量で、機種を比べる
必要な容量がわかったら、その容量帯の比較記事で機種を選べます。
- 500Whクラスの比較:持ち運び重視。スマホや照明が中心
- 800Wh前後の比較:500Whでは不安、でも1,000Whは重い
- 1,000Whクラスの比較:家族の停電対策・車中泊に幅広く
- 2,000Whクラスの比較:冷蔵庫も動かしたい・長い停電に備える
- ポータブル電源のメーカー比較:メーカーの特徴から選びたい