停電対策にポータブル電源は必要?過去の大規模停電からわかる備え方と、優先して使いたい家電
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停電は、台風や地震のときだけの話ではありません。大雪や落雷、設備の事故でも起こります。そして一度大規模な停電が起きると、復旧までに数日以上かかることも珍しくありません。
この記事では、過去の大規模停電の事例から「どれくらいの期間に備えればいいか」を確認し、ポータブル電源で何を優先して動かすべきかを整理します。
この記事の結論
- 大規模停電は数日〜2週間以上続いた例がある
- ポータブル電源では、情報(スマホ)・明かり・温度調節を優先する
- 停電が長引いたときに備えて、ソーラーパネルでの充電も考えておく
- ふだんは取扱説明書の推奨する充電量で保管し、定期的に残量を確認する
過去の大規模停電は、どれくらい続いた?
近年の主な大規模停電の事例です。
| 年 | 災害・原因 | 最大停電戸数 | 停電期間 |
|---|---|---|---|
| 2011年 | 東日本大震災(東北電力管内) | 約466万戸 | 3カ月 |
| 2016年 | 熊本地震 | 約47.6万戸 | 5日間 |
| 2018年 | 台風第21号 | 約240万戸 | 2週間 |
| 2018年 | 北海道胆振東部地震 | 約295万戸 | 2日間 |
| 2019年 | 房総半島台風(台風第15号) | 約93万戸 | 2週間以上 |
※出典:内閣府・各電力会社の資料をまとめた、本田技研工業「停電に備える」のページ(2020年7月時点の情報)より。停電期間は、発生から復旧するまでの全体の期間です。多くの地域ではもっと早く復旧しています。
2019年の房総半島台風では、発生から1週間がたっても、千葉県で約8万戸の停電が続いていました。もちろん、すべての停電がこれほど長引くわけではありません。それでも「最低でも2〜3日、できれば1週間程度」をひとつの目安に、備えを考えておくと安心です。
ポータブル電源があると、停電中に何ができる?
情報を得る・連絡をとる
停電中にいちばん困るのが、スマホの電池切れです。災害情報や停電の復旧見込みを調べたり、家族と連絡をとったりするのに、スマホは欠かせません。
スマホの充電1回に使う電力量は、変換ロスを含めても20Wh前後です。1,000Whクラスのポータブル電源なら、数十回分の充電ができます。
明かりを確保する
夜の停電は、思っている以上に不安なものです。LED電球やLEDランタンは消費電力が10W前後と小さいので、ポータブル電源があれば何日も明かりを確保できます。
暑さ・寒さをしのぐ
エアコンは消費電力が大きいので、ポータブル電源で長時間動かすのは現実的ではありません。そこで役立つのが、消費電力の小さい家電です。
- 夏:扇風機・サーキュレーター(30W前後)
- 冬:電気毛布(50W前後)
とくに高齢の方や小さな子どもがいる家庭では、夏の熱中症、冬の冷えへの備えが重要です。
冷蔵庫の中身を守る
冷蔵庫は、停電対策でよく話題になる家電です。1,000Whクラスのポータブル電源で、冷蔵庫の種類にもよりますが、およそ1日動かせる計算になります。計算方法はポータブル電源は何Whあれば足りる?で解説しています。
ただし、冷蔵庫を動かし続けると、ほかの家電に使える電気がほとんど残りません。停電が長引きそうなときは、傷みやすいものから先に食べる、扉の開け閉めを減らすなど、電気以外の工夫も組み合わせましょう。
冷蔵庫を止めたり動かしたりするときの注意
電気を節約しようと冷蔵庫を止める時間をつくると、そのあいだに庫内の温度が上がり、食品が傷みやすくなります。冷蔵庫用の温度計などで庫内の温度を確かめ、においや見た目に異常がある食品は無理に食べないでください。節電よりも食品の安全を優先しましょう。
停電中に優先したい家電の順番
ポータブル電源の電気は限られています。停電が長引くことを考えて、使う家電に優先順位をつけておきましょう。
| 優先度 | 家電 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | スマホ・携帯ラジオ | 情報収集と連絡に欠かせない |
| 高 | LED照明 | 夜の安全確保。消費電力も小さい |
| 高 | 扇風機・電気毛布 | 体調を守る。消費電力が小さい |
| 中 | Wi-Fiルーター | 通信のため。ただし地域の通信網が止まると使えない |
| 中 | 冷蔵庫 | 食料を守る。電気を多く使うので時間を決めて使う |
| 低 | 電気ケトル・電子レンジ | 便利だが電気を多く使う。カセットコンロで代用できる |
ポイント
お湯を沸かしたり、温めたりする調理は、カセットコンロのほうが電気を使わずに済みます。ポータブル電源の電気は、ほかでは代わりのきかない「情報・明かり・温度調節」に回すのが効率的です。
どれくらいの容量を選べばいい?
家族構成や使いたい家電によって変わりますが、目安は次のとおりです。
| 備え方 | 容量の目安 | できること |
|---|---|---|
| 最低限の備え | 300〜500Wh | スマホの充電と照明を数日分 |
| 標準的な備え | 1,000Wh前後 | スマホ・照明・扇風機や電気毛布を1〜2日分、冷蔵庫を短時間 |
| しっかりした備え | 2,000Wh以上 | 冷蔵庫も含めて1日以上 |
停電1日・家族4人の場合の詳しい計算は、ポータブル電源は何Whあれば足りる?で紹介しています。1,000Whクラスの具体的なモデルは、1,000Whクラスのポータブル電源4機種を比較をご覧ください。
停電が長引いたときは「充電する手段」が大事
どんなに大きなポータブル電源でも、使い続ければいつかは空になります。停電が数日以上続いたときに頼りになるのが、ソーラーパネルでの充電です。
ソーラーパネルがあれば、晴れた日の日中に充電して、夜に使うというサイクルができます。ただし、発電量は天気や季節、パネルの向きで大きく変わります。「晴れていれば少しずつ回復できる」くらいに考えておきましょう。
なお、自宅の屋根に太陽光発電がある場合は、停電中も「自立運転」で電気を使えることがあります。手順は停電時の太陽光発電の使い方で解説しています。
そのほか、車をお持ちなら、シガーソケットからの充電も選択肢になります。ただし、出力が小さいので時間がかかり、充電中はエンジンをかけておく必要があります。
ふだんの保管と充電のコツ
いざというときに「充電が空で使えなかった」とならないよう、ふだんの管理も大切です。
保管のポイント(Jackeryの案内の例)
- 60〜80%程度に充電して保管する
- 3カ月に一度は残量を確認し、減っていたら充電する
- 直射日光が当たらず、温度変化の少ない室内に置く
上の保管方法は、Jackeryが公式サイトで案内している内容です。保管に適した充電量は、メーカーや機種によって異なります。お使いの製品の取扱説明書の案内を優先してください。
台風の接近など、停電が予想されるときは、前日までに100%まで充電しておくと安心です。
メモ
ふだんからキャンプや在宅ワークなどで使っておくと、残量の確認を忘れにくく、いざというときも使い方に迷いません。「防災専用」としてしまい込むより、日常的に使いながら備えるほうがおすすめです。
停電中に使うときの注意点
- 水回りやぬれた場所では使わない:本体やコンセントに水がかからないようにします。
- 定格出力を超える家電はつながない:出力が足りないと、家電が動かないだけでなく、安全装置が働いて止まることがあります。
- 熱がこもらない場所に置く:使用中は本体が熱を持つことがあるので、布団の中など熱がこもる場所は避けます。
ポータブル電源はエンジン式の発電機と違い、排気ガスを出さないので、室内でも使えるのが大きな利点です。マンションなど、発電機が使いにくい住まいの停電対策に向いています。
まとめ
- 大規模停電は数日〜2週間以上続いた例がある。最低でも2〜3日、できれば1週間を目安に備える
- ポータブル電源の電気は、スマホ・照明・扇風機や電気毛布を優先して使う
- 調理はカセットコンロで代用し、電気を節約する
- 長期戦に備えて、ソーラーパネルでの充電も考えておく
- ふだんは取扱説明書の推奨に沿って保管し、定期的に残量を確認する
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