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停電時の太陽光発電の使い方|自立運転の手順と、使える電気の目安

ソーラー・蓄電 1,500W 自立運転の上限の目安

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自宅の屋根に太陽光発電があっても、「停電したら使えるの?」「どうやって使うの?」と聞かれると、すぐには答えられない方が多いと思います。ふだんは何もしなくても自動で動いているので、いざというときの使い方を知る機会がないからです。

このサイトの運営者も、太陽光発電のある家に住んでいます。台風で3日間停電したとき、自立運転の機能でスマホを充電して乗り切りました。この記事では、公的機関やメーカーの案内をもとにした手順と、そのときの体験をまとめます。

この記事の結論

  • 多くの太陽光発電には、停電中でも電気を使える自立運転の機能がある
  • 使えるのは専用の自立運転用コンセントだけ。上限は1,500Wが目安
  • 発電しているときしか使えない。夜は使えず、曇りや雨では使える電気が減る
  • 切り替えにはブレーカーの操作が必要。手順は取扱説明書で今のうちに確認しておく
  • 夜に備えて、昼の間にモバイルバッテリーやポータブル電源へ電気をためておくのがコツ

自立運転とは?停電中に太陽光の電気を使う機能

太陽光発電は、ふだんは電力会社の電線とつながった状態(連系運転)で動いています。パネルで発電した電気を家の中で使い、余った分を電力会社に売る仕組みです。

停電すると、安全のために太陽光発電も自動で止まります。電線の修理をしている作業員が感電しないよう、家から電線へ電気が流れ出さないようにするためです。

そこで使うのが自立運転です。電力会社の電線から切り離した状態で、太陽光の電気を家の中だけで使えるようにする機能です。

環境省のパンフレットによると、自立運転に必要な要件を備えた太陽光発電の機種は88.3%とされています(日本電機工業会の調べ)。ほとんどの家庭用の太陽光発電で使える機能だと考えてよいでしょう。

家じゅうのコンセントが使えるわけではない

自立運転で電気が使えるのは、パワーコンディショナ(パワコン)の近くなどにある「自立運転用コンセント」だけです。ふだん使っている部屋のコンセントは、停電中は使えません。

自立運転の切り替え手順

資源エネルギー庁や名古屋市の案内では、次の手順が示されています。

順番やること
1自立運転用コンセントの場所を確認する
2取扱説明書で、自立運転への切り替え方を確認する
3分電盤の主電源ブレーカーを切る
4太陽光発電用ブレーカーを切る
5パワコンを自立運転モードに切り替える
6自立運転用コンセントに、使いたい機器をつなぐ

停電が直ったら、必ず元に戻します。戻す順番は、次のとおりです。

  1. 自立運転モードを解除する
  2. 太陽光発電用ブレーカーを入れる
  3. 主電源ブレーカーを入れる

操作方法は、メーカーや機種によって違います。最近の機種には、停電したときに自動で自立運転に切り替わる設定ができるものもあります(シャープの一部の機種など)。

今日のうちにやっておきたいこと

停電してから取扱説明書を探すのは大変です。暗い中で分電盤を操作することにもなります。

  • 自立運転用コンセントの場所を確かめる
  • 取扱説明書の「自立運転」のページに、ふせんを貼っておく
  • 分電盤の「主電源」と「太陽光発電用」のブレーカーがどれかを確かめる
  • 懐中電灯を、分電盤やパワコンの近くに置いておく

わからないことは、設置した業者かメーカーに確認しておきましょう。

使える電気の目安と、使えないもの

上限は1,500Wが目安

名古屋市の案内では、自立運転用コンセントの容量は1,500Wが上限とされています。ただし、これは「よく晴れて、たくさん発電しているとき」の上限です。実際に使える電気は、そのときの発電量で変わります。

天気・時間使える電気
よく晴れた日中多い(上限は1,500Wが目安)
曇り・雨少ない。小さな機器に限られる
夜使えない

向いている使い方

環境省のパンフレットでは、自立運転の使い道として次のような例が挙げられています。

  • テレビなどでの情報収集
  • 携帯電話の充電
  • 薬の冷蔵保存
  • 電気ポットでの湯沸かし

いちばん確実なのは、スマホやモバイルバッテリーの充電です。消費電力が小さいので、曇りの日でも使える可能性が高くなります。

避けたい使い方

自立運転に向かないもの

  • エアコン・電子レンジなど消費電力の大きい家電:動かないか、動きが不安定になることがあります
  • 電気が急に切れると困る機器:雲で発電が急に減ると、電気が止まります。デスクトップパソコンなどは、データが失われたり壊れたりするおそれがあります
  • 医療機器など、止まると命に関わる機器:発電が安定しないので頼れません。使い方は機器のメーカーに確認してください

災害でパネルが壊れたときは

浸水したり壊れたりしたパネルも、光が当たると発電していることがあります。壊れたパネルや配線には触らないでください。

運営者の体験:台風の3日間の停電をどう乗り切ったか

ここからは、このサイトの運営者「ワット」の体験です。

台風で、3日間停電しました。わが家の太陽光発電は、売電価格が下がって「儲かりにくくなった」と言われ始めたころに取り付けたものです。当時は家庭用の蓄電池がまだほとんどなかったので、蓄電池はつけていません。

停電中は、自立運転用コンセントにスマホ用のUSBアダプタを差して、スマホとモバイルバッテリーを充電していました。

天気は、曇りのち晴れといった感じでした。曇っている間は思うように充電できなかったので、晴れ間のうちに、どうにか充電しておくというやり方でした。

体験してわかったこと

  • 自立運転のおかげで、停電中もスマホの電池を切らさずに済んだ
  • 一方で、天気しだい。曇りの時間は頼りにならない
  • 夜は発電しないので、昼に充電しておいたモバイルバッテリーが大事になる
  • 蓄電池がないと、晴れていても「昼にためて、夜に使う」ことが十分にはできない

この経験が、電気の備えを調べ始めるきっかけになりました。

自立運転をもっと役立てるコツ

昼の電気を、モバイルバッテリーにためておく

自立運転のいちばんの弱点は、夜に使えないことです。晴れている昼のうちに、モバイルバッテリーをいくつか満充電にしておくと、夜もスマホを使えます。

モバイルバッテリーの容量の見方は、ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いで解説しています。

ポータブル電源と組み合わせる

蓄電池の代わりになるのが、ポータブル電源です。昼に自立運転用コンセントから充電しておけば、夜に照明や扇風機、電気毛布などに使えます。

ただし、ポータブル電源の充電には大きな電気が必要です。急速充電に対応した機種は、充電中に電子レンジなどの家電と同じくらい大きな電気を使うものもあります。曇りで発電が足りないと、充電が止まったり進まなかったりします。充電の速さ(入力)を下げる設定がある機種は、低めの設定で充電するとよいでしょう。設定の方法は、ポータブル電源の取扱説明書で確認してください。

どのくらいの容量があれば夜を越せるかは、ポータブル電源は何Whあれば足りる?の計算方法で確かめられます。停電対策の考え方全体は、停電対策にポータブル電源は必要?にまとめています。

延長コードで部屋まで電気を引くときは

自立運転用コンセントが屋外や玄関の近くにある場合は、延長コードで部屋まで電気を引くことになります。延長コードの定格(使える電気の上限)を超えないように注意し、コードを束ねたまま使わないようにしましょう。

蓄電池があると、何が変わる?

家庭用の蓄電池があれば、昼に発電した電気をためて、夜に使えます。機種によっては、停電時に家じゅうのコンセントが使えるものもあります。

運営者の家のように、太陽光だけで蓄電池がない家庭では、

  • 費用をかけずに、まずはモバイルバッテリーとポータブル電源で「昼にためて、夜に使う」を補う
  • 長期の停電やふだんの電気代も考えて、家庭用蓄電池を検討する

という2つの考え方があります。家庭用蓄電池の選び方は、今後の記事でくわしく取り上げる予定です。

蓄電池や太陽光の工事の費用は、家の条件や業者によって大きく変わります。検討を始めるなら、1社だけで決めず、複数の業者の見積もりを比べるのが基本です。タイナビのような一括見積もりサービスを使うと、一度の入力で複数の業者に見積もりを頼めます。見積もりを取っても、契約するかどうかは比べてから決めれば大丈夫です。

停電に備えて用意したいほかの道具は、停電に備える防災グッズのチェックリストにまとめています。

この記事の情報源(2026年11月8日に確認)

手順や上限は、次の公的機関とメーカーの案内をもとにしています。お使いの機種の操作は、必ず取扱説明書で確認してください。

まとめ

  • 多くの太陽光発電には、停電中に電気を使える自立運転の機能がある
  • 使えるのは自立運転用コンセントだけで、上限は1,500Wが目安
  • 切り替えには、主電源ブレーカー → 太陽光発電用ブレーカー → 自立運転モードの操作が必要。停電が直ったら逆の順番で戻す
  • 夜は使えず、曇りや雨では使える電気が減る。スマホやモバイルバッテリーの充電がいちばん確実
  • 昼の電気を、モバイルバッテリーやポータブル電源にためて夜に使うと、停電中の安心感が大きく変わる

いざというときに慌てないよう、自立運転用コンセントの場所と取扱説明書は、今日のうちに確認しておきましょう。